Le cinéphile puceau et la vierge libraire de Jimbôchô #5

Après avoir bien attiré les mâles regards et les tentatives d’effleurement de vieux libidineux dans sa rame de métro, Mayumi arrive saine et sauve au cinéma où l’attend Takeshi… まゆみとたけし、映画館で たけしは、映画館のロビーで八分間も待っていた。スマホを見ていたけれど、なにも読んでいなかった。ただ、落ち着いているふりをしていた。 ふと顔を上げると…まゆみが来た ! 彼女はヒールの低いくつで、ちょっと走るように歩いてきた。ほおが赤くて、少し息を切らしている。 その濃紺のドレスは、肌にぴったりと張り付き、彼女の胸と腰の曲線をこれ見よがしに強調していた。まるで「見るなら見なさい」とでも言っているかのように。 胸もとで、ハンドボールほどの美しいふたつの球が、楽しげにぷるぷる揺れていた。 たけしは、ぼうっとした。まるで頭の中がリセットされたようだった。 — ごめんね、ちょっとおそくなった!— ううん、大丈夫。僕も今来たところ。 二人は少しだけ見つめ合った。おたがいの服や顔を、じっくり見る時間だった。 「なんてきれいなんだ!なんてドレスだ!ぼくのために きれいな服を 着たのか?それは ぼくのことが すきだ ということか?ええと…このあと いっしょに どこかへ 行くつもりなのか?」 たけしは つばを ごくりと のんだ。「ラブホテル…かもしれない?」 そのとき、まゆみの心の中では—— 「いいにおい…!わたしのために この こうすいを つけたの?すてきな おとこのひとだわ!」 でも、まゆみは しらなかった。たけしが こうすいを きんたまにも つけたことを。 つづく Mayumi et Takeshi… Lire la suite…

Le cinéphile puceau et la vierge libraire de Jimbôchô #4

Le coeur battant et un string audacieusement enfilé, la douce Mayumi se rend au « Cinema Qualité« , cinéma d’Art et essai se trouvant à Shinjuku… メトロの中で メトロはとてもこんでいる。まゆみは、たくさんの男の人の中に立っている。 「どうしてこんなふくをきたの?」と、まゆみは思う。ワンピースはタイトで、からだのラインがよく見える。 「キャバクラのおんなのひとみたい…」 「園子温のダメな映画に出てるみたい!」「たけしさんはどう思うかな…?」少しこわくなる。 でんしゃがゆれて、おじいさんがまゆみにふれる。「え? わざと…?」まゆみは、こわくなる。でも、こわくてうごけない。 幸いに アナウンスが聞こえる。 「つぎは、しんじゅく、しんじゅくです。」 まゆみは、すぐにドアのほうへ行く。ドアがあくと、はやく外に出た。 「はあ……たすかった……」 「たけしさんは、きっとそんなエッチなことは考えないわ。あの人の顔、とってもピュアなんだもの!」 でも、それはまちがいだった。たけしはずっとこう考えていたのだ――「まゆみさんは…園子温の映画に出たら、きっと光るなあ!」 つづく Dans le métro Le métro était horriblement bondé. Mayumi se tient au… Lire la suite…

Le cinéphile puceau et la vierge libraire de Jimbôchô #3

Tandis que Mayumi s’interroge sur la nécessité à porter un string pour un premier rendez-vous avec Takeshi, ce dernier se prépare dans son appartement miteux de Minami-senju… タケシは鏡の前に立ち、シャツのボタンを外した。腹のあたりの肉が、まるで裏切り者のように自己主張していた。 「……はあ。三十四歳、いまだに童貞。しかも中年太り。」 鏡の中の自分に苦笑しながら、腹をつまんでみる。指の間に挟まる柔らかさが、なんとも情けない。 「まゆみちゃんは……こんなお腹、気にするかな?」 頭の中に彼女の笑顔が浮かぶと、思わず顔が赤くなる。細くて、目が大きくて、艶っぽくて……「……彼女の顔は梶芽衣子、体は沖田杏梨。完璧な女だ!でも……なんで沖田杏梨なんか思い浮かべたんだ?オレ、もう変態になったのか?そんなことばっかり考えてるのか?」 彼は襟を正し. 緊張した指先で、シャツのボタンを一つ一つ丁寧に留めていく。最後に香水を手に取った。胸元、首筋、手首、そして……ふと、下へも一吹き。 「……いや、これってやりすぎか?」 もはや自分がどこに向かっているのか分からない。だが、香りに包まれると少し勇気が湧いてくる。 玄関を出て、鍵をかける。歩き出して十歩目。急に立ち止まり、眉をひそめる。 「……下半身にも香水って、正気の沙汰じゃないよな……?」 ため息をつきつつ、歩を進める。心臓の鼓動が、いつもより少しだけ速い気がした。 つづく Takeshi se tenait devant le miroir, déboutonnant sa chemise. Les… Lire la suite…